「劇団演技者。」「激情」第三話第四話感想
第二話までは一見上手くいっているように思えたわけですが、第三話からはこの話のメインテーマであるという『裏切り』の物語に。
裕一は仕事を辞め、江口と裕一はのりこさんの前で何食わぬ顔でやってるし、のりこさんは裕一に殴られ、と思えばのりこさんと杉山がくっつき、マサオは関根を殴り、なんてただれた人間関係だよ、とひたすら呆れる。
ここまで来ると逆に笑えるかも。江口は三話でも四話でも争いあう人たちを傍観して笑っているけど、なんかその気持ちも分かるな。
三話で江口が笑ってる場所は、裕一がのりこに「そんな人間に説教する資格あんのか!?」と怒鳴るところ。
これは確かに笑える。そういうお前こそ何言ってんだよっていう。いけしゃあしゃあとっていうのはこういうときに使うんだな、きっと。
のりこさんと杉山のシーンも笑える。
「あのな、俺はあんたよりはマシだぞ」「何言ってんの、あたしのほうがマシよ。」ってこの台詞、これがこのドラマ全体に流れる登場人物たちの考え方なんだろうな。(っていうか人間って、どっかでそう思ってないとやってらんない時もありますね(笑)はたから見るとめちゃくちゃ不毛ですけど。)
このドラマの人たちって全員自分勝手というか、自分の優位を守るために、自分より弱い者を怒鳴る。自分を棚にあげて怒鳴る。ここまで極端な人もなかなかいないと思いますが。
どうしようもないですよ(笑)。でも良かったなあと思うのは、全員どうしようもないこと。
あと笑えたのは、のりこさんと杉山くんが組合の異性に「飴をもらった」とか「いつも野菜をもらう」とか張り合ってるところ。なんだそりゃ。しかも張り合ったあと、「それはあれよ、あんたがシーマとか乗ってかっこいいからよ」の『かっこいい』で良い雰囲気になる。なんだそりゃ(笑)。
剛つん*1的三話の見所は、なんといっても大根で殴るシーンでしょう。
人を大根で殴る姿があれほど様になる人もなかなかいません(笑)
いや、真面目な話、あのシーンはかっこ良いですよ。音楽といい。
特に、大根を振りかぶった時に、右足が上がってるあの角度って素晴らしいなと。
やっぱリズム感と身体能力が卓抜してんのかな。よくあんな漫画みたいな動きができるもんだと感心します。
友達に止められながらも大根でがしがし頭をどついてるのとかはかなり可笑しい。
あとは、ストーブの前でスウェットを履くんだが、座るか?っていう・・・。
おもむろに座ってズボンを履く裕ちゃん。足上がってます。まるで『パジャマでお邪魔』のワンシーンを見るかのような淡い郷愁が胸に広がりますね・・・・。
パジャマでお・じゃ・ま♪って今もやってんのかな。にこにこぷん。
幼児がパジャマを一人で着れるかな?というかわいらしいコーナーです。(笑)
歌の歌詞がずっとパジャマパパジャマジャマジャマ・・・とか続くんだよ。男声合唱で。
・・・・話がそれたが、えーと、先日、最終話で暴れる時以外は裕一は嘘ばかり、と書きましたが大根で殴った時も本気だったろう。だからちょっと違うかも。えへ♪(笑ってごまかす)
で、さらに最終話。部屋がどんどんぐちゃぐちゃになってきますが、うん、うちの部屋はそれくらいかな?っていう・・・。乱れた生活を送っています(笑)
裕一と関根が「ギャグで」関係を持ち、その間にマサオがバイクで事故を起こす。江口に子供ができ、久保さんも江口とやってて、で、今度はのりこさんと杉山くんが一緒に暮らすと言い出す。
そんな第四話。ここに出てくる人たちって『裏切り』という言葉が使えるほど自分が潔癖じゃないというか。
これが「裏切りがテーマの物語」と言えるかどうかは疑問だなあ。
個人的には、ですが、裕一だけ本当にどうしようもない悪人で、小さな村の善良な人たちが傷つけられるっていう話の方が好みだったかなあとちょっと思ったりする。それで村の人たちが困って裕一を殺しちゃえって画策するみたいな・・・シェイクスピアでそんなのなかったっけ?(適当)
後半の救いようの無さが後味悪く残って(笑)忘れがちですが、四話も関根と裕一のやりとりなんかは微妙に笑える。
「じゃあ、早くしてよ!」「するってことは決めたけどー」とか。決めたんかい!っていう。
その後、服を脱ぎますが・・・。
こんなにベッドシーン(ベッドシーンて。)が多数ある番組なのに、剛くんの腹筋が見れる唯一の場面です。感慨深いです。是非手を合わせて拝みたいところです。
青のチェックのトランクス・・・というよりかは水着みたいだが、の下にグレーのパンツが見える。(一話でもそうだったけど、また剛つんのパンツの話かよ!)
裕ちゃんパンツ二枚はいてんのか?というなんとも微笑ましいシーンです。
あと江口の妊娠が発覚した時、裕一が三ヶ月前なら俺じゃない!という見苦しい言い逃れをする場面での江口の「何言ってんだべ、全部覚えてんだよ。」っていう切り返しとかもちょっと笑える。
ここで江口って子の印象が少し変わった。相手が誰でもどうでもいいように見えて、全部覚えてるんですからね。
こわいっちゃあこわいか・・・。(笑)
その後は登場人物たちが今度は俺の番だ!と言わんばかりに入れ替わり立ち代りにキレますが、その中で印象に残るのは、裕一は久保さんに怒鳴られて傷ついたってことです。
江口とのことに「気にしてねえから」と気遣った(気遣ったつもりなんだろうな、あれ。)のに、久保が突然自分を攻撃してきたから驚いて呆然としている。この時の剛くんの表情は大変良いです。
病院から戻ったマサオが杉山を蹴り倒してるのにも少し傷ついたように見える。杉山とのりこさんのことも。
しかし裕一ってなんなんだろと思う。
自分は節操ないこと散々しといて、相手にそれをされると傷ついたりする。
「気にしてねえから」も酷い。酷すぎ。江口は自分の彼女でもなんでもないのにその口ぶり。よく言うよって感じですね。ここの人間関係を全部掌握できると思ったんじゃないかな。自分が。
たぶん裕一は自分が特別だと思っているんだろうな。
マサオと関根にそれぞれ全く食い違った嘘をついてるのも、自分がくっつけた二人だから、自分がコントロールできると思ったんだろうという感じがする。
「杉山はオラに唾を吐かなかった」もそう。杉山くんは自分にだけは逆らえないだろうという安易な発想があるし、全員に自分は好かれてるんじゃないかって思ってる節がある。
誰より裕一が一番上から人を見下してて、それで力関係としては一番下っ端だった杉山くんに唾をかけられて切れた、っていうことなんじゃないかと自分は思ってます。
・・・うーん・・・どうかな、それとも、借金を返すのが馬鹿馬鹿しくなり、新しい仕事も馬鹿馬鹿しくなったみたいに、何もかもが馬鹿馬鹿しくなったのかもしれない。
だから家の物を引っ掻き回して壊していくしかなかったのかも。
忘れがちですが、両親に自殺されてますからね。家の玄関で。
精神的に参らない方がおかしい。
最後の「これがこの村の、しょうもねー冬の出来事だ。」というナレーションが一番ぐっときた。
放心した裕一の表情と、突き放した感じの終わり方、ここがこのドラマで一番良かったんじゃないかなと個人的には思う。
結局変わらない日常のひとコマだった、っていう。
私思ったんですけど、たぶんこの後、みんなで部屋を片付けるんじゃないかな。しばらく誰も動かないで黙ってるんだけど、のりこさん辺りがゴミとか片付けだして、一人、また一人と片付けを始めて、裕ちゃんも気まずそうになんだかんだで手伝い、「じゃ、・・・鍋にでもする?」みたいな感じで綺麗になった部屋で鍋食べたりすんですよ、きっと。で、振り出しに戻る、みたいな・・・。たぶんそういう、すごく平和な話で、だから結局なんにも解決はしないんだけど、そこが現実にとても近い。
まあでも納得いかないことも多々あり、その最たるものが包帯をしたマサオがなんで杉山にキレたのかがちょっと唐突すぎてよくわからないという点。
原作の舞台ではちゃんとした設定があったみたいだが、それを最終話の最後に急に持ってこられても唐突すぎるし、自分がいじめてた奴に恩を売られてむかついたっていうのが一応の公式(?)見解みたいだけど、それにしては第一話でお金借りる時にもっとなんかマサオに葛藤があってもいいはずだし。裕一の借金とはいえ一緒に頭下げたわけですから。
それに、何より納得いかないのは、マサオ、君の彼女と裕ちゃん寝てますけど、知ってるんですか?っていう・・・(笑)
描ききる時間が足りなかったのかもしれないが、本当に裏切りっていうならそこにつっこんでいかないと消化不良な気が・・・。
逆に裕一と関根のことは思いっきりカットするとか。
マサオ、君がキレる相手は違うんじゃ・・・。って思った・・・。たぶんまだ知らないんだよ。かわいそうだな・・・。
理不尽な暴力っていうのをマサオと杉山で書きたかったのかもしれないけど。
あと杉山が唾を吐くのもどうも唐突すぎる印象・・・。杉山くんも別に自分だけ被害者ってわけじゃないんだから、皆に唾吐く権利無いと思うけど(笑)。ここも舞台の設定をひきずってるのかもしれない。
それと、「杉山はオラに唾を吐かなかった。杉山はオラに唾を・・・」のくだりがどうしてもやりたかったんだろうなって感じもする。
この話のそういう後づけ的な展開がどうも納得いきません。
「裏切りがテーマ」にちょっと期待しすぎたな。もっときちんきちんとキレイに事件が交差していく話かと思っていたら、意外と行き当たりばったりというか・・・。
まあ、そういう私が一番偉そうだなっていうオチなんですけども・・・(笑)
さてさてさて・・・。長くなりましたが、最後に一介の森田ファン的に、ということで総括して見たいと思います。
正直、ぶっちゃけ、「マシーン日記」から約1年ぶり、待ちに待った剛くんの演技だったわけで、お芝居する剛くんのファンでもある自分としては、こういうのが見たかったのか?っていうとそれはどうだろうか、と思うわけですが・・・。
いくつかやったうちの一つなら良いけど、いっつもこういう役ばっかじゃ困る!
それだけの人じゃないと思うんだけどなあ・・・。夢見るばかりですよ(涙)
でも、杉山に唾を吐きかけられて瞠目するカットとかは良かったなあ。なんというか、はっと目を引く一瞬を作れる人だよなあと思います・・・。撮りかたも良いのかな。
あと、やはり最後の暴れるシーン。声が高いともっぱらの評判ですが、悲鳴に近くて、ああ、こういうのもできるのか・・・とちょっと驚いた。
最初にあのシーンを見たときは、夜中なのに、「ごおつんコタツ壊した!!コタツ壊した!!」と大熱狂しました(笑)
あれ、壊れるように細工してあるのかな。それともやわな作りのコタツだったんだろうか。
なかなかコタツ壊すの大変だと思うんだけど。しかも剛くんが!!あの細腕で!!(笑)
大根の飛び散りっぷりも素敵でしたけど、多少亀裂をいれとかないとああはならない気がするんだが。
変なところが気になります。
暴れシーンは最高。コタツの上で滑って転ぶあたりも最高。
動作の一個一個に身体能力の高さを感じました。漫画みたいなんだもん。かっけーです。アニメをたくの自分があの動きにはまらないわけがないです。押井守的だよ(適当二回目。)
あと、マサオが包帯ぐるぐる巻きで来た時は、お前かよ・・・!!と舌打ち・・・。(笑)
以前自サイトの日記で書きましたが、今回の「激情」には、剛つんの包帯姿を勝手に期待していた私です・・・・。
血!包帯!!いつかこないかなあ・・・(へんたいっぷりをまた高らかに宣言してしまった・・・。)
あのマサオの頭全体巻きもかわいいよね・・・。ごおつんがやったらもっとかわいいかったろうに・・・。ちっ。
あ、かわいいといえば、雪の中やってきたマサオを叩く剛つんの手がかわいい。(笑)
手ちっちぇーと胸がきゅんと・・・。特に、指をまっすぐにしない癖があるのか、小指と薬指が曲がってるあたりもかわいらすぃです。
まあ、満足かなあ・・・。期待していたよりは裸が見れないのにはちょっとがっくし来ましたが・・・。
コンサートか。コンサートしかないか!!ろしゅつは・・・・。
だんだんほんとにへんたいっぽくなってきたのでもうやめます。
でもはてなで『森田バカ一代』*2っぷりを叫んでやりましたよ。
ほぼ目的は達したといえるな。三日目にして(笑)
おいおい、「誠意」はどこいっちゃったのよ!?と密かに枕を涙で濡らしたことはひみつってことで・・・。(笑)
最後に、以前「Top Stage」11月号で剛くんが「激情」について答えたインタビュー部分を抜粋します。長いですが・・・。
田舎に住んでる人って、すごく純粋な感じがするんですよね。その人が感じていることは、たとえ間違っていたとしても、ひたすら純粋で。友達付き合いにしても、友達を越えた、家族みたいな感覚で繋がってる。だからこそ裏切られて、傷ついて・・・っていう感情の振り幅が大きかったりするんです。
うう、優しいなあこの子・・・・(涙)
この物語に登場する人たち全員、愛しく感じる人ばかりで、人としてはダメだけど、なぜか憎めないんですよね。僕が演じる菅原という男も、めちゃくちゃ素直でダメなヤツ(笑)。でも、僕はこういうヤツ、好きですよ。自分に弱くて他人に厳しい。強い人間には弱くて、弱い人間に強い、みたいな(笑)
優しいなあ・・・・神様みたいだよ(笑)。
剛くんのこのインタビューはほんと的確で、誰のどの感想よりこのドラマの中心をついてると思います。
まあでも楽しかったです。次週のメイキングも楽しみ。
坂本くんがフライヤーに出てきてときめきましたが・・・。(笑)
素敵です。クラシックなよそおいがとても似合います。キラキラです、スターです(笑)
よく剛くんが、「カミセンのイメージはちょっとダークな感じで、トニセンは明るい感じ」というようなことを言っていますが、本当今回の演技者ではそれが三十分の間にわかりやすく収まっていたと思う。