「イプシロンに誓って」

εに誓って (講談社ノベルス)

εに誓って (講談社ノベルス)

だいぶ前に読了しましたが感想を書きそびれていたので。
横浜に行った時にちょうど発売の日で、持って行った本はもう新幹線の中で読み終わってしまい、ホテルでやることがなかったのでそのとき読んだんですけど、やはり旅先で本を読むと特別な感じがしてとても集中できます。
久々に一気読みというか、読む手が止まらない一冊だったです。
これまでのGシリーズと比べてこの話が根本的には特別なわけではなくて、バスジャックというのがちょっとイレギュラーな感じもするけど、実はそれほど派手な話ではないし、シリーズ通してその存在だけは感じられる何かぼんやりとした「謎」はそのままぼんやりしっぱなしなので、あーかゆいところに手が届かない!みたいなジレンマは依然としてあったりするのですが、でもやっぱり自分にとっては特別な一冊となりました。
それは、主人公の偶然乗り合わせたバスのほかの乗客のモノローグ部分にあります。
あんまり書くとネタばれになっちゃうんですけど、(もうなってるといううわさも)、彼らがネットで集められた自殺したい人たちだったということにあります。
集団自殺っていうほどウェットな感じではないんですが。
もうこれがね。なんともかんとも。わかりすぎるくらいわかっちゃうというか。
淡々と話が進んでいくのですが。やっぱり私が森先生のことが好きなのは、別にトリックだとかキャラ萌えとかではなく(?)、こういう部分なんだなあって再認識しました。
最後涙出てしまいましたよ。わかりすぎるくらいわかる、むしろ私自身です。
そんなわけで、今年読んだ本で今のところ一番かな!
山吹さんと恵美ちゃんのやりとりも絶妙にユーモラスで良いです。
100ページの、山吹さんの、「いや、とても見せられない」に爆笑してしまう、お心当たりのあるお嬢様がたも結構いるのでは。
そりゃ見せられないよ、とても見せられないよ。