劇団演技者。「ビューティフル・サンデイ」第三話

もうむちゃくちゃ切ないんで、再度見るのがためらわれるくらいだったのだが、気合をいれて見直してみた。
どうしてこの三話(というかこの話)がそんなに切ないんだろう!?と思いながら見てみると、当たり前のようなことだけど、「ギャップ」なんだなーと思った。
例えばヒロがHIVに感染していることをちひろに言うシーン。
そう・・・私ネタバレを気にして全然あらすじとか読まなかったから、これがもうびっくりで。えええええ!?っていう。なんだそりゃ!?と。そんな重い要素が入り込んでくる話だとは思ってなかったのです。思わぬところからふいを打たれたというか。
で、二度目を見てみて、その場面の直前で、ヒロとちひろが部屋の飾りつけをしながら「あはは」とか無邪気に笑ってて。そこへ秋彦が帰ってきて、今日初めて会った友達でもなんでもなかったはずのちひろも「おかえり」と言う、そのとても平和なシーンの後での告白だったから余計驚くし悲しいと感じる。
なんか当たり前のことを書いていますが・・・。
その後なんだかんだあり、秋彦に髪を切ってほしいというヒロ。
なんだよ!?お邪魔虫(※ちひろ)がいなくなった途端にいちゃこらしやがって!!とつっこみたくなる(っていうか私だけか、そんなこと思うの・・・・。)平和な雰囲気にまた戻ります。(でもヒロはすでに何か決意している。)
それで私なんかは、「病気という辛いことはあるけどこの人たちはしあわせなんだなー」とかって簡単に気を許してしまうわけですが、この三話の最後で実は同棲三年記念パーティはヒロのなかでは『お別れ記念日』だったことがわかる。それでまた私は「えええええ!?なんだよそれおまえよー(涙)さっきあんな仲良さそうにしてたじゃんかー(涙)」という気持ちに。
後半でのヒロと秋彦、二人とちひろのギャップもまた切ないです。
秋彦はいつか故郷に建てる家の設計図にヒロの部屋も作っていて、それが『同棲記念日』のプレゼントなんだけど、ヒロが用意していたプレゼントは『お別れ記念日』のための秋彦の肖像画
その絵を見ただけで秋彦は絵の意味がわかるのだけど、ちひろだけは知らないから、暗く沈んだ二人の横で一人明るくはしゃいだりひやかしたりしている。
全然売れないヒロの絵を、秋彦が売れたと偽って部屋に隠していることを、実はヒロは気づいていながら黙ってたっていうのも切なかった。
秋彦はヒロのために何かしてあげたいと思ってやってるけど、本当はヒロはそんなのどっちでもよくてむしろ必要ないんだけど、でもそんな秋彦の思いがわかるから黙っている。そういうことなのかなと思った。
なんか本当切ないですよ、この人たち・・・・。
最終回はどうなるのだ・・・・。三話を見ていて泣いてしまいましたよ。どうかしあわせな終わり方でありますように。今回にかぎっては「演技者。」的な最終回のカタルシスはいらんです(笑)


ところで、好きな台詞があった。明るくて優しいヒロが実は病に冒されていることを知り、自分を省みるチヒロに返す秋彦の台詞。
「あたしの悩みなんてさ・・・」「悩みに大きいも小さいもないよ」
まあ特別変わった台詞ではないですが、この場面で秋彦が言ったのが、なんとなく自分の中で救われた気がした。