「リンダリンダリンダ」を見る

なんと地元の映画館でもやっていたので見る。今日最終日だったのですべりこみ。
特別なことは何一つ起こらない、物語もテンションも爆発しない、『普通』の世界で、普通の女の子たちが、高校三年生の文化祭でブルーハーツコピーバンドをやる。ただそれだけなのに、普通の世界で普通に暮らすということはとても愛しく切なく美しい、そんなとても素敵な映画でした。
一番好きだったのは夕暮れに土手を皆で歩いてるシーン。何故か縦一列に歩いてて。(笑)青みがかった土手の風景が普通の町なんだけどとても綺麗だった。
四人の女の子もなんかすごい仲が良いってわけでもない感じが絶妙だった。
ところで最後のライブの場面で、モエちゃんめちゃくちゃ歌上手い!!っていうのが微妙に一番面白いと思ったんですけども。あんな異常に歌上手い高校生。
「モエの声はブルーハーツのイメージじゃない」とかってちゃんと前フリもあるあたり、やっぱり笑わせようとしたでしょう!みたいな。
その他そこここでいろいろ面白いので笑ってしまいました。
ペ・ドゥナはしかし本当にかわいい!!この映画でもものすごいかわいかった。
へんてこりんな留学生の役で、おそろしく天然な雰囲気を醸し出しつつ、一生懸命で優しくて、その一生懸命さが最後の歌でちょっと切なく出てて。
香椎由宇ちゃんもかわいいです。っていうか制服最高!!(笑)
香椎さんの演じる恵は、気が強くて不器用な感じがとてもよかった。「恵っていつもあんなじゃん」とか言われている間、スタジオの手配とかしているわけですから・・・。変な夢の中でしくしく嬉し泣きしているのにもちょっとときめいた。
あと、最後に凛子が「遅れて来たのが悪いんだからね」とか言う感じの素直じゃない二人の関係ってとても女の子の友情っていう感じで良かった。
しかし香椎さん若いですね!絶対二十代だと思ってた。ところで、「ホールドアップダウン」では、「おまえらみんな死ねぇ〜!!」にときめいてときめいて仕方なかった(笑)。
映画の話に戻って、最後が雨っていうのもいい。ソンちゃんの歌う「終わらない歌」にのせて入ってくる校舎とか誰もいない自転車置き場とかが灰色がかってどちらかっていうとどんよりしているのがすごく、あ、なんかわかるなっていうか、例えば会場に向ってるときは雨でも終りには晴れ間を覗かせたりとか普通させちゃうと思うんだが、あの灰色の感じが本当に切なくて、『文化祭は終わる』んだ、っていうどうしようもないさようならの現実というか。
山下敦弘という人の映画は初めて見たけど好きだなあと思った。ソンちゃんが夜屋台の間を走っていくシーンとか。
っていうか私文化祭とか当時だいっきらいだったなあ・・・(笑)本当は好きだったのかもしれないけど。いろんなちょっとかっこいい先輩とかがやっぱりバンドを組んで、その思い出といえばイエモンの「JAM」とGREEN DAYの「BASKET CASE」です。
そんなわけで今はもちろんブルーハーツを聞いているのだった。
ところで、話は大幅にそれますが、昔2002年だったか、カミセンのコンサートでカミセンがブルーハーツとかブランキー・ジェット・シティの歌を歌ったことがあった。あの年ものっすごく好きなコンサートだったのですが、あれって今思えば非常に『文化祭的』だったなあ。けして悪い意味でなく。